2月16日(土)に、映画『人生フルーツ』の上映会および「ユギムラの集い」を開催しました。
「人生フルーツ」は、かつて日本住宅公団(現UR都市機構)のエースとして様々なニュータウン計画に関わってきた都市設計家・津端 修一さんと妻・英子さんの、ていねいな農的暮らしに密着するドキュメンタリー映画です。
1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。けれど、経済優先の時代はそれを許さず、完成したのは理想とはほど遠い無機質な大規模団地。修一さんは、それまでの仕事から距離を置き、自ら手がけたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめました。それから50年、ふたりはコツコツ、ゆっくりとお金よりも時間を貯めてきました。ふたりの暮らしには人が生きる豊かさと、歳を重ねて実る美しさにあふれていました。
エンドロールに流れたル・コルビジェ、フランク・ロイド・ライトをはじめとする著名な建築家の言葉をまさに実践していた2人の豊かな生活。
『 風が吹けば、枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば、土が肥える。土が肥えれば、果実が実る。こつこつ、ゆっくり。人生、フルーツ。』修一さんの言葉です。
未来に農のあるまちづくりを伝える堀之内・ユギムラ牧場で上映する映画として、これ以上ふさわしい作品はなかなかないのでは、と思えるすてきな作品でした。
その後、4時から、ユギムラ牧場の鈴木美保さん主催で「ユギムラの集い」が開催されました。はちエネも会の運営に関わらせていただきました。
はちエネの太陽光発電所第一号機やはちエネ工房があり、里山保全活動や廃食用油回収・濾過活動の拠点にもなっている八王子市の堀之内や柚木地域は、かつては由木村という農業が盛んな村でした。時代は変わり、かつての由木村はなくなりましたが、ユギムラと名前を変え、かつて盛んだった農業を営む村人、自然エネルギーや里山保全に取り組む村人、ユギムラを生み出し地域の人たちと畑を体験する場を作り出す村人など、様々な人たちが集まっています。
「ユギムラの集い」では、かつてユギファーマーズクラブに在籍していた大江正章さんによる講演を中心に、ユギムラに集まる村人(&ファームユギ、八王子協同エネルギー、かぼちゃ隊、やまぼうし、由木かたくりの会、ことのは保育園など )の活動紹介がされました。
大江さんには「農はいつでもワンダーランド 都市の農のこれまでとこれから」というテーマでご講演いただきました。都市農業の歴史と現状、多摩地域の宅地開発の歴史とそれに関わった市民活動などのお話をしていただきました。
その後の懇親会は、ユギムラで無農薬野菜を作っている&ファームユギ(FIO)の野菜と八王子の磯沼牧場の牛肉(タン・ハラミ・ギアラ・ミノ)をつかった地産地消メニューで”おもてなし”しました。食器はユギムラの森の間伐材から手ずくりしたお皿とリユースカップと箸を利用するなど、エコと地産地消にこだわりました。
ヤギがいる元牛舎で焚火で暖を取りながら行った映画上映と講演会・懇親会は、参加者からもとても好評でした。