企業組合労協センター事業団 芝山あぐりーん 視察報告

2019年12月7日 13;00~
【参加者】三鴨、田中、針生、鳴海
【視察先】
企業組合労協センター事業団 芝山あぐりーん
〒289-1608
千葉県山武郡芝山町岩山1110-1
TEL :0479 – 78 – 1011
FAX :0479 – 78 – 1012
E-Mail:qqt65q39k@lilac.ocn.ne.jp

芝山あぐり~んでは家庭や飲食店で使用した「使用済み天ぷら油」を回収し、集めた廃食油を選別して、プラントにてバイオディーゼル燃料に精製、その燃料をその地域で使用するという3つのテーマを各地域で取り組むことによってエネルギーの地産地消による循環を目指していている。

○芝山地域福祉事業所あぐり~んの沿革

・2008年10年      芝山にて菜の花プロジェクト・開始(八角氏農地へ播種)
~~成田国際空港内レストラン~成田地区ホテル協会~機内食メーカー
~~廃食用油回収に向けて訪問・協力要請~~

・2009年     廃食用油・回収開始

・2010年  7月29日 BDFプラント・第1期工事
        12月      BDFプラント・第1期工事/完成 試運転及び研修

・2011年 3月10日~11日 ろうきょう菜の花プロジェクト全国ネットワーク・発足
第1回菜の花フォーラム&移動セミナー開催
~~3・11/東日本大震災が発生・被災地支援でBDF車が活躍貢献~~  

~~5・16/成田エクセルホテル東急・送迎バスへBDF給油開始~~
~~廃食用油・回収&BDF給油・提供先/第2期工事に向けて拡大行動~~
11月 3日 神崎町/利根川河川敷菜の花播種

・2012年 3月 1日 神崎町循環バスへBDF給油開始
6月13日 ホテル日航成田・送迎バスBDF給油開始

・2013年10月        経済産業省補助事業
「地域バイオディーゼル流通システム技術実証事業」交付決定

・2014年 8月        BDFプラント・第2期工事/完成 試運転及び研修

・2014年 8月 6日  芝山地域福祉事業所あぐり~ん 「新プラント」落成式

【精製システム】

プラントの開発は株式会社日本バイオディーゼル機器

➀回収した天ぷら油の固形物を取り除く
回収した天ぷらあぶらをタンクに移す作業
綿の布+金網2で主な固形物、不純物を取り除く
その際、オリーブ油、パーム油は常温で固まるので入れない
油の酸化値を計る→AVチェッカーで1以下なら使用。その他酸化した油は使用しない
注意点:焦げた油は酸化しやすい、夏場は1月で酸化し使えなくなってしまう

・ここで利用できない油は別タンクに保存し、専用の産廃業者に引き取ってもらう
・空いたペットボトルは“もみがら袋”に入れてペットボトル専用の産廃業者に引き取ってもらう ※やはり、油のついたペットボトルを引き取ってくれるところが少なく、課題
・布は1週間に1回程度(?)で交換

②不純物をさらに除去

濾過フィルター(16メッシ)

ギアポンプ

廃食油沈殿槽(1260ℓ)中は鏡面仕上げ、三層構造ステンレス

計量タンク

③メタノール+苛性カリでエステル交換処理  

反応タンク室→防爆使用、防毒マスク使用、エステル交換によって毒ガスが発生する
グリセリンタンク

前処理タンク ④粗グリセリンを排出

給湯タンク 小型貫流蒸気ボイラ(EH500)を使用.
燃料は天ぷら油をつかうバイオマスボイラー

脱水、洗浄 ⑤温水でBDFを洗浄、静置、排水処理(4回)

燃料フィルター ⑥高温で水分を蒸発させる

コンデンサー

真空ポンプ

シラー(水で冷却) ⑦酸化防止剤、流動点硬化剤を添加

1日/1000ℓほど製造が可能。タンクを3つにわけることで可能となる

【質疑応答】

・月の回収量は?
月に6000~9000ℓ回収 東京あぐりーんの方では月14000ℓ以上

・ポテンシャルは?
現在の回収量の3倍は可能(常勤3人で)
危険物取扱法上、BDFが2t以上にならないように注意している

・主な回収先は?
市内給食センター(入札)や、成田空港内の飲食店など、事業所がメインで、60件ほど
東京あぐりーんでは700店舗ほど回収している

・回収頻度は?
空港内では曜日を決めて回収しているが、その他は不定期。

・回収金額は?
1ℓ1円で買い取り BDF原材料費として産廃届出はしていない

・回収方法は?
主に一斗缶を使用する。ペール缶は使用しない。
一斗缶にストレッチフィルムを巻き付けてこぼれないようにし、重ねて積むときもストレッチフィルムで固定。新聞紙をもっていく

飲食店からは“ゴミ屋”という目で見下されるので、しっかりと強気で指導していくことが必要。熱いまま入れないことなど。
回収用の車には天ぷら油をのせていることを表示している

・販売価格、需要などは?

110円/ℓ(無税)車との相性の問題でディーゼル燃料の需要が減、農業用トラクターなどに使っている
Svoが使える農業ボイラー用に粗BDFを販売しているところもある

倒産しているBDF業者が増えているが、品質の問題が大きい。まともなBDF作れず車の故障などトラブルを起こしていることが原因

・一番費用が掛かる消耗品は?
メタノール等薬品類が一番

・建設、設備など全体での費用は
工場は1億円かかってる。そのうち4000万円は農水省の補助で

・備品等で注意すべきことは
燃料ホースなどゴム使用のものは劣化するので良くない

・これまでの起こったトラブルは?

回収中に店舗内に油をぶちまけてしまったことがある。何日もかかってふき取った
→横にしてもこぼれないようストレッチフィルムにした

ポンプが切れて油が噴き出たことがある→ゴムパッキンは要注意

ペール缶はラバーが劣化するのでなるべく使用しない
臭いがでないように気を付ける
ラボ(油回収業者)は保険にはいっていると聞いている

・その他
千葉工業大学の谷合先生に相談している
現在、灯油代替燃料の開発研究を行っているとのこと

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