【天ぷら油】キッチンから電力を生み出す「天ぷら油発電」を始めます!

私たち一般社団法人八王子協同エネルギー(通称「はちエネ」)は、エネルギーの地産地消、原発に頼らない社会の実現を目指し、100%市民出資で運営されている非営利の電力会社です。これまで、八王子市内の牧場や福祉施設の屋根に太陽光発電所を設置してきましたが、太陽光発電による電力買い取り価格が低く抑えられてしまったことにより、新たな発電所建設が難しい状況になっています。

はちエネとしては、水力、バイオマスなどさまざまな発電の可能性を追求してきましたが、その中で58万人もの人口を抱える八王子に眠る大きな資源を活用しない手はない、という考えに至りました。それが、てんぷら油発電です。

天ぷらや唐揚げ、とんかつなどを揚げた植物油(サラダオイル)を濾過し、それでディーゼル発電機を動かし、電力を得るというものです。植物油そのままの燃料をSVO(Straight Vegetable Oil)と呼びます。植物油の燃料使用というと、BDF(Bio Diesel Fuel)を思い浮かべる方が多いと思います。BDFはそのままディーゼル車を走らせることができるなど汎用性も高いのですが、精製するためにメタノールを必要としたり、副産物としてグリセリンが出たりするため、コストもかかり、廃棄物も増えてしまいます(グリセリンは洗剤として再生することもできますが、このためにもコストはかかります)。

SVOは、使い古されたてんぷら油を遠心分離器などで濾すだけで使えるので、コストも最小限で済み、廃棄物も少ないのがメリットです。

てんぷら油にどれくらいのパワーがあるのか? 1リットルの廃油で、約3kWhの電力が見込まれます。これは、冷蔵庫(省エネ型・消費電力338kWh/年)を3日間以上動作させることができるのです。ちなみに、このSVOでも改造を施せば自動車を走らせることもできますが、1リットルで約6kmの走行が可能です。

はちエネでは、この天ぷら油発電を今後3年間の最優先課題と位置づけ、3年後までに145kWh級のディーゼル発電所を1基作ることを目標にして活動していきます。この発電所が稼働すれば、年間約120万kWh、一般家庭約300軒分の電力を得ることができます。はちエネでは、この発電所を5年以内に3基作ることを目標としています。

同時に、このノウハウを全国の市民発電に広め、全国でも同様の発電事業を始めて欲しいと思っています。

もちろん、この目標の達成のためには乗り越えるべきハードルもあります。

最初の課題は、この発電所を運営するためには毎日1tの廃食用油が必要になります。その廃食用油の確保と回収手段の確立。

2番目の課題は、発電所の設置場所。ディーゼル発電機は、トラックのアイドリング中程度の騒音を出します。24時間稼働して、この騒音が許される環境を選ぶ必要があります。もちろん、廃食用油や精製したSVOを保存するスペースも必要です。

3番目の課題は、法令面の要請をクリアすること。燃料の保存や発電機の稼働について危険物の取り扱いなどの課題をクリアする。

はちエネでは、これらの課題をひとつずつ解決しながら、都市に眠る新たなエネルギー源の有効活用によるエネルギーの地産地消を目指していきたいと思っています。どうぞ、ご期待ください。

※この事業は、平成29年度の地球環境基金を獲得し、推進しています。

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